ラテン語にdexterという単語がある。
外国語に1対1で対応する日本語なんて基本的にないと考えるべきだと思うが、「右」というような意味の単語だ。
これがラテン語の子孫であるロマンス諸語では以下のようになっている。
- イタリア語: destra
- スペイン語: derecha
- カタルーニャ語: dreta
- フランス語: droite
- ポルトガル語: direita
どの言語も別言語だなという感じはあるものの、元が同じだということがなんとなく理解できる形になっている。
それに対し、左はラテン語ではsinisterである。 これらはどうなっているだろうか。
- イタリア語: sinistra
- スペイン語: izquierda
- カタルーニャ語: esquerra
- フランス語: gauche
- ポルトガル語: esquerda
イタリア語が原型を残している事はわかるものの、他の言語では全く違うなにかになっている。
フランス語のgaucheは語源不明、古いフランス辺りの人を指すgallicから来たとの説があるとのこと。
残りの3つは無理やりカタカナで書くとイスキエルダ・エスケーラ・エスケールダのような感じとなる。
この3つの語源は同じなんだろうなと思いながらも特に調べる事もなかったのだが、最近偶然答えを知る機会に恵まれた。
タイトルからも予想がつくだろうが、バスク語である。
バスク語で左に当たる単語はezkerという語だ。バスク語のzは日本人の思うsの発音となっている。
しかも、英語のbe動詞にあたる語がバスク語ではdaを用いるため、ezkerra daで「左だ」という文章になるらしい。
バスク語が話されているバスク地方はスペインの北部で、ちょうどこれらの言語から近い位置にある。
ちょっとしたことだけれども興味を引かれたので、バスク語を学習していきたい。